(DFP)

プロデューサー ジェイド・レイモンド

『アサシン クリード』は2007年において最も期待が集まっているタイトルのひとつです。何がこのゲームをそれほど特別なものにしているのでしょう?

ゲームシステムの面で『アサシン クリード』を特徴づけているのは、
マップのどこへでも行けるという圧倒的な自由度の高さです。
プレイヤーはあらゆるものに登り、またあらゆるものと相互作用することができます。
迷路の中のネズミのように、あらかじめ用意された正しい道を探すのではなく、
自分で独自の道を切り開くことができるのです。

もうひとつは、追っ手から逃げる場面が、とてもエキサイティングかつバラエティ豊かなものという点です。
それは、アサシンが行けるほとんどの場所へ敵も行くことができるからです。
屋根の上を駆け、道行く群衆をかき分けながら、スリルたっぷりの追跡劇を体験できます。
また、プレイヤーが迂回できる、あるいは乗り越えられる障害物のなかには、
非常にダイナミックなものも含まれているのです。しかも優れたAIによって、
敵はプレイヤーがいる場所への最短ルートを巧みに計算し、腕に覚えのあるプレイヤーでも驚くような動きをしてみせます。したがって、追跡劇がマンネリにおちいることはあり得ません。

最後に付け加えたいのは、メインとなる暗殺任務が数多くの繰り返しプレイに耐えうるものだということです。
プレイヤーがどのような戦略を駆使するかによって、任務の進み方はがらりと変わってきます。
好戦的なスタイルを選べば、ターゲットを仕留めるまでに都市全域をまたに掛けた追いかけっこを演じることになるかも知れません。逆にじっくりと時間をかけ、群衆に溶け込んで環境を味方につければ、同じターゲットをその人物の家で、大きな騒ぎを引き起こすことなく始末することも可能です。
どちらを選ぶかはプレイヤー次第なのです。

ゲームの背景について簡単に説明してください。どのような物語があり、主人公の目的はなんなのでしょうか?

舞台となっているのは第3次十字軍の時代です。
“獅子心王”リチャード1世に率いられた十字軍は、サラディンから領土を奪還するために戦っています。
彼らの究極の目的は、このゲームが幕を開ける数年前にサラディンによって征服されたエルサレムの街を取り戻すことです。

イスラム教徒と十字軍が支配権を巡って争う一方で、アサシンたちは戦いを終わらせるための道を探っています。
彼らはこの戦いを無意味なものとみなしているのです。
イスラム教徒とキリスト教徒が平和に共存してはならないという理由はどこにもありません。
アサシンたちはどちらの陣営にも属さず、また彼らの目的は富や権力を得ることではありません。
それに彼らは特定の信仰を広めようとしているわけでもないのです。実際のところ、彼らは組織化された宗教に対し、基本として否定的な立場をとっています。
“真理は存在しない。許されぬ行為などない”というのが彼らのモットーなのです。 

このことからキリスト教徒もイスラム教徒も、アサシンたちの真の敵とはなり得ません。
彼らが戦っている相手は、戦争を利用して自分の欲望を満たそうとする者たちです。
ゲームの冒頭、面目を失墜した“マスター・アサシン”であるアルタイルは、
第3次十字軍を終わらせるため9人の標的を消すように命じられます。ゲームが進むにつれて、
アルタイルはアサシン教団での地位を徐々に回復し、階位を取り戻していくのです。そして、
プレイヤーは十字軍の影で糸を引く悪人たちを始末することで、さらに大きな陰謀の真相に迫っていくことになります。
今は詳しくはお話しできませんが、その陰謀とは現代を生きる私たちにも直接関係するものなのです。

このゲームのコンセプトは大作映画にも通じるところがあるようですね?

この新しいタイトルに関して、私たちは非常に高い目標を掲げています。
私たちはプレイヤーに、英雄叙事詩や大作映画にも引けをとらないような
エンターテインメント体験を提供したいと思っています。そのために最も経験豊かな開発チームを起用し
、次世代ゲーム機のための新しいアクションのあり方をデザインしました。

チームが選んだアプローチは、群衆のコントロールと移動の自由度を通じて、
「これまでにないゲーム世界との一体感が味わえるプレイ」を実現することだったのです。
これらの要素はそれぞれが非常に優れたものですが、さらにそれらを巧みに融合させることで
驚くような効果が生まれ、プレイヤーを完璧に『アサシン クリード』の世界に没入させてくれるのです。

また、ストーリーのあり方についても新しいアプローチがとられています。
私たちは誰もが関心を持っている“大人向けのテーマ”に焦点をあてることにしました。
ゲームというジャンルがエンターテインメントとして一段上のレベルに到達するには、
すべての人に関係がある現実的なテーマを取り入れることが唯一の道だと感じているからです。

このゲームには、たとえば『ブレイブハート』や『キングダム・オブ・ヘブン』といった
映画と共通する壮大な感覚があると思います。
プレイヤーは馬に乗って未知の広大な土地を探検したり、
厳重に守られた砦に緻密な策略を駆使して潜入したりできるのです。
ユーザーの皆さんは、『ヘイロー』や『グランド・セフト・オート』の複製ではない、
新鮮なゲームを求めていると思います。そこで『アサシン クリード』では、
システムとストーリーの両面において、次世代ゲーム機ならではのアプローチを試みました。
こうして生み出された『アサシン クリード』の世界で、
私たちが目指す“新しいエンターテインメント”に触れてほしいと思っています。

引用元

・公式サイトプロデューサーインタビュー

(DFP)